詩篇
息のあるものはみな、主をほめたたえよ。ハレルヤ。(詩篇150:6) 5か月かかって書いてきた詩篇も、いよいよ今日が最終篇となる。 詩篇の世界をこんなにもじっくりと味わったことは、これまでなかった。 感謝なことだ。 詩篇はさまざまな感情が吐露されてい…
彼らの口には、神への称賛があり、彼らの手には、両刃の剣があるように。(詩篇149:6) 「神への称賛」と「両刃の剣」、この二つが「敬虔な者たち」の口と手にある。 興味深い表現だ。 ハレルヤ。新しい歌を主に歌え。敬虔な者たちの集まりで、主への賛美を…
主の御名をほめたたえよ。主が命じて、それらは創造されたのだ。主は、それらを世々限りなく立てられた。主は、去りゆくことのない定めを置かれた。(詩篇148:5-6) 148篇は、天上における賛美に始まる。 ハレルヤ。天において主をほめたたえよ。いと高き所…
神は馬の力を喜ばず、人の足の速さを好まれない。主を恐れる者と、御恵みを待ち望む者とを主は好まれる。(詩篇147:10-11) イスラエルを特別に守られる主をほめたたえる賛歌だ。 イエス・キリストをとおして神の家族とされたわたしたちキリスト者も、自分…
あなたがたは君主を頼みとしてはならない。救いのない人間の子を。霊が出て行くと、人は自分の土に帰り、その日のうちに、彼の計画は滅び失せる。(詩篇146:3-4) なんと気持ちの良いみことばだろう。 君主がどんなに強そうで、富んでいて、頼もしく見えて…
私の神、王よ、私はあなたをあがめます。あなたの御名を、世々限りなくほめたたえます。(詩篇145:1) これも「ダビデの賛歌」だ。 ダビデは、心からこのように言えた。 日ごとにあなたをほめたたえ、あなたの御名を世々限りなく賛美します。主は大いなる方…
わが岩なる主が、ほめたたえられますように。戦いのために私の手を、戦のために私の指を鍛えられる方が。(詩篇144:1) ダビデは“戦いの人”であったが、つねに主に依り頼んだ人でもあった。 自分の手、自分の指を強くしてくださるのは主であると、知ってい…
あなたのみこころを行うことを教えてください。あなたは私の神であられますから。あなたのいつくしみ深い霊が、平らな地に私を導いてくださいますように。(詩篇143:10) これもダビデの詩篇だ。 ダビデの詩篇の特長は、「あなた」という呼びかけに満ちてい…
声をあげて、私は主に叫びます。声をあげて、私は主にあわれみを乞います。(詩篇142:1) 副題に「ダビデが洞窟にいたときに」とあるので、ダビデが敵から逃れて洞窟に潜んでいたときの祈りだ。 わけもなく恨まれ、追われる身。 その苦しみは、どれほどであ…
主よ、私の口に見張りを置き、私の唇の戸を守ってください。(詩篇141:3) 141篇は、悪からの守りを願うダビデの祈りだ。 主よ、私はあなたを呼び求めています。私のところに急いでください。私があなたに呼び求めるときに、私の声に耳を傾けてください。(…
私を取り囲んでいる者たちの頭。これを自らの唇の害悪がおおいますように。燃える炭火が彼らの上に降りかかりますように。彼らが火の中に、深い淵に落とされ、立ち上がれないようにしてください。(詩篇140:9-10) このみことばからも分かるように、140篇は…
主よ、あなたは私を探り、知っておられます。(詩篇139:1) 「あなたのすべては知られている」と伝えられたら、どのような感情になるだろうか。 おそらくは、恐怖を覚えるのではないかと思う。 <お前のやっていることを知っている>という謎の手紙を受け取…
私は、あなたの聖なる宮に向かってひれ伏し、恵みとまことのゆえに、御名に感謝します。あなたがご自分のすべての御名のゆえに、あなたのみことばを高く上げられたからです。(詩篇138:2) ダビデは、聖なる宮に向かってひれ伏した。 「あなたのみことば」…
バビロンの川のほとり、そこに私たちは座り、シオンを思い出して泣いた。(詩篇137:1) 137篇は、これまでのものと違う異色の詩篇だ。 バビロン捕囚時の民の嘆きを歌っている。 彼らは、遠い異国の地、バビロンの川のほとりで、シオンを思い出して泣いた。 …
主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。主の恵みはとこしえまで。(詩篇136:1) 136篇は面白い形式になっている。 すべての節が「主の恵みはとこしえまで」という句で締められているのだ。 ここで語られているのは、もっぱら、主はどういうお方か、主…
主は、ヤコブをご自分のために選び、イスラエルを、ご自分の宝として選ばれた。(詩篇135:4) このみことばの「ヤコブ」「イスラエル」の箇所に、自分の名前を入れて読んでみよう。 遠慮はいらない。 あなたは主に選ばれ、主の宝とされている。 聖書が告げ…
さあ、主をほめたたえよ。主のすべてのしもべたち、夜ごとに主の家で仕える者たちよ。聖所に向かってあなたがたの手を上げ、主をほめたたえよ。天地を造られた主が、シオンからあなたを祝福されるように。(詩篇134:1-3) 134篇も133篇と同じく、3節だけの…
見よ。なんという幸せ、なんという楽しさだろう。兄弟たちが一つになって、ともに生きることは。それは、頭に注がれた貴い油のようだ。それは、ひげに、アロンのひげに流れて、衣の端にまで流れ滴る。それはまた、ヘルモンから、シオンの山々に降りる露のよ…
主はシオンを選び、それをご自分の住まいとして望まれた。(詩篇132:13) これも「都上りの歌」とある。 シオンの神殿に思いを馳せる歌だ。 主よ、ダビデのために、彼のすべての苦しみを思い出してください。彼は主に誓い、ヤコブの力強き方に誓いを立てま…
まことに私は、私のたましいを和らげ、静めました。乳離れした子が、母親とともにいるように、乳離れした子のように、私のたましいは私とともにあります。(詩篇131:2) 131篇は全部で3節と短いが、非常に心にしみ入る詩篇だ。 「ダビデによる」とある。 ダ…
イスラエルよ、主を待て。主には恵みがあり、豊かな贖いがある。(詩篇130:7) 信仰とは待つことであり、待つこととは信頼することだ。 だれかと約束をする。 その相手を信頼するから、待つ。 詩人は、このとき何らかの苦悩の中にあった。 主よ、深い淵から…
主は正しくあられ、悪しき者の綱を断ち切られた。シオンを憎む者はみな、恥を受けて退け。(詩篇129:4-5) 129篇は、イスラエルを憎む者に対する宣告だ。 「彼らは、私が若いころからひどく私を苦しめた。」さあ、イスラエルは言え。「彼らは、私が若いころ…
幸いなことよ、主を恐れ、主の道を歩むすべての人は。(詩篇128:1) わたしは、『まんが日本昔ばなし』を見て育った世代だ。 あのなかにはかならず、“正直者の働き者”が出てきた。 それを意地悪な連中がいじめるのだが、最終的には彼らが痛い目にあうのがお…
主が家を建てるのでなければ、建てる者の働きはむなしい。主が町を守るのでなければ、守る者の見張りはむなしい。(詩篇127:1) 127篇は、「ソロモンによる」とある。 このように明記してあるのは、127篇だけである。 ダビデの子ソロモンは、神の宮を完成さ…
涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取る。種入れを抱え、泣きながら出て行く者は、束を抱え、喜び叫びながら帰って来る。(詩篇126:5-6) 126篇は「シオンの復興」から始まる。 主がシオンを復興してくださったとき、私たちは夢を見ている者のよう…
主に信頼する人々はシオンの山のようだ。揺るぐことなく、とこしえにながらえる。(詩篇125:1) 「都上り」では、エルサレムに近づくほどに「シオンの山」が目に入って来ただろう。 そのときこの歌は、格別な思いをもたらしたにちがいない。 主に信頼する人…
鳥のように、私たちのたましいは、仕掛けられた罠から助け出された。罠は破られ、私たちは助け出された。(詩篇124:7) 詩人は最初に、ひとつのフレーズを提示する。 「もしも、主が私たちの味方でなかったなら。」さあ、イスラエルは言え。(1) 「主は私…
まことに、しもべたちの目が主人の手に向けられ、仕える女の目が女主人の手に向けられるように、私たちの目は私たちの神、主に向けられています。主が私たちをあわれんでくださるまで。(詩篇123:2) 123篇は、次のように始まる。 あなたに向かって、私は目…
「さあ、主の家に行こう。」人々が私にそう言ったとき、私は喜んだ。(詩篇122:1) これも「都上りの歌」で、「ダビデによる」とある。 人々が「主の家に行こう」と歌いながら、エルサレムを目指す様子が目に浮かぶ。 エルサレムよ、私たちの足は、あなたの…
主は、あなたの足をよろけさせず、あなたを守る方は、まどろむこともない。(詩篇121:2) 詩篇121篇、そう聞くだけで胸が躍るような気持ちになる。 それくらい大好きな詩篇だし、多くの人にとってもそうであろう。 あらためて味わってみたい。 私は山に向か…