塩の海
「あなたがたの南側は、エドムに接するツィンの荒野に始まる。南の境界線は、東の方の塩の海の端に始まる。」(民数記34:3)
34章では、カナンの地における部族ごとの割り当て地が述べられる。
主はモーセに告げられた。「イスラエルの子らに命じて彼らに言え。あなたがたがカナンの地に入るときには、あなたがたへのゆずりとなる地、カナンの地とその境界は次のとおりである。」(2)
そして、冒頭のように、南の境界線の東端が「塩の海」と定められた。
今回は、この「塩の海」について確認しておきたい。
塩の海とは、いわゆる「死海」のことだ。
塩分濃度が高いため、水面に寝っ転がって本を読むことができる。(なぜ本を読むのかは不明)
このほかにも、塩の海は不思議な点が多々ある。
まず、同じような例が地球上に無い。
そして、海抜から極端に低い。(マイナス430mと、地表でもっとも低い)
魚も棲めない。(ゆえに死海)
川が流れ出ない。(蒸発する)
なぜ、こんな湖が存在するのか。
よく知られるように、ここにはかつて、ソドムとゴモラという道徳的に退廃しきった町があった。
神は天変地異によって町ごと滅ぼされ、逃げ出したロトの妻は振り向いて塩の柱となった。(創世記19:26)
そこが、「塩の海」だ。
Googleで「ヨルダン渓谷」と検索すると、わかりやすい地図を見ることができる。
ガリラヤ湖からヨルダン川が流れ出し、120キロかけて塩の海に注ぐ。
地形的には、そこからさらに南方のアカバ湾にかけて大きな裂溝があることがわかる。
塩の海の、大きさを見てみよう。
()内は、日本の琵琶湖のものだ。
南北85キロ(60キロ)、東西16.5キロ(20キロ)、面積945㎢(670㎢)。
琵琶湖の約1.4倍と、かなり大きい。
このような非常に特殊な場所がここにあること自体が、聖書の史実性を保証し、神がイスラエルを特別な場所として見ておられることの証左になると、私は思う。
いま、世界情勢がただならぬ状況にあるが、遅かれ早かれイスラエルが焦点となり、世界史が大きく動く。
このようなときにこそ、主に信頼し、着実に歩みたい。
「また、戦争や戦争のうわさを聞くことになりますが、気をつけて、うろたえないようにしなさい。そういうことは必ず起こりますが、まだ終わりではありません。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、あちこちで飢饉と地震が起こります。しかし、これらはすべて産みの苦しみの始まりなのです。」(マタイ24:6-8)