頭数を調べよ
「イスラエルの全会衆を、氏族ごと、一族ごとに調べ、すべての男子を一人ひとり名を数えて、その頭数を調べよ。」(民数記1:2)
きょうから『民数記』に入る。
モーセ五書の四つ目の山だ。
そう、こうしてじっくり読んでくると、モーセ五書という山系を縦走している気分になる。
同じ山系ではあるが、それぞれの山ごとに表情は違う。
『民数記』は、二度の人口調査の記録が出てくることから、こう呼ばれるようになった。
一度目が、1章になる。
エジプトの地を出て二年目の第二の月の一日に、主は、シナイの荒野の会見の天幕でモーセに告げられた。(1)
エジプトを出て二年目、シナイの荒野にいたときのことだ。
「あなたとアロンは、イスラエルにおいて、二十歳以上で戦に出ることができる者をすべて、その軍団ごとに登録しなければならない。」(3)
登録するのは、「二十歳以上で戦に出ることができる者」だ。
したがって、戦に出ないレビ人は除かれた。
各氏族の人数は、以下のとおり。
- ルベン族/46,500人
- シメオン族/59,300人
- ユダ族/74,600人
- イッサカル族/54,400人
- ゼブルン族/57,400人
- エフライム族/40,500人
- マナセ族/32,200人
- ベニヤミン族/35,400人
- ダン族/62,700人
- アシェル族/41,500人
- ガド族/45,650人
- ナフタリ族/53,400人
合計、603,550人。
二度目の調査は、26章に出てくる。
場所はモアブの草原、一度目の調査から40年も後のことだ。
結果は601,730人で、一度目より1,820人少ない。
それだけ見ると、「あまり変わらなくてよかったね」と言いたくなるが、ぞっとする文章が付け加えられている。
しかし、この中には、シナイの荒野でモーセと祭司アロンがイスラエルの子らを登録したときに登録された者は、一人もいなかった。それは主がかつて彼らについて、「彼らは必ず荒野で死ぬ」と言われたからである。彼らのうち、ただエフンネの子カレブとヌンの子ヨシュアのほかには、だれも残っていなかった。(民数記26:64-65)
40年前に登録されたイスラエルの民は、その不信仰のためにカナンの地に入れず、ほぼ全滅したということだ。
へブル書のことばを読んでおこう。
では、聞いていながら反抗したのは、だれでしたか。モーセに率いられてエジプトを出た、すべての者たちではありませんか。神が四十年の間、憤っておられたのは、だれに対してですか。罪を犯して、荒野に屍をさらした者たちに対してではありませんか。また、神がご自分の安息に入らせないと誓われたのは、だれに対してですか。ほかでもない、従わなかった者たちに対してではありませんか。このように、彼らが安息に入れなかったのは、不信仰のためであったことがわかります。(ヘブル人への手紙3:16-19)