イサクはそこを去り
イサクはそこを去り、ゲラルの谷間に天幕を張って、そこに住んだ。(創世記26:17)
飢饉のため、イサク一族はゲラルの地に身を寄せた。
そこで主の祝福により、大いに富んだ。
イサクはその地に種を蒔き、その年に百倍の収穫を見た。主は彼を祝福された。こうして、この人は富み、ますます栄えて、非常に裕福になった。(13)
ところが、現地の人たちは彼をねたみ、昔父アブラハムのしもべたちが掘った井戸をすべてふさぐという嫌がらせをする。(14-15)
さらには、王アビメレクが「われわれのところから出て行ってほしい」と言って来た。(16)
驚くのは、数々の意地悪や追放という扱いに対して、イサクがいっさい苦情を言わず、抵抗していないことだ。
イサクはそこを去り、ゲラルの谷間に天幕を張って、そこに住んだ。(17)
その地でも「湧き水の井戸」が見つかったが、現地の羊飼いたちが権利を主張し、イサクの羊飼いたちと争いになった。(20)
さらに、別の井戸を掘っても、また争いになった。(21)
それでも、主人イサクは不当な要求を覆そうともせず、別の地に移る。
イサクはそこから移って、もう一つの井戸を掘った。(22)
そこでは争いが起きなかったため、ようやくその地に落ち着いた。
イサクのしもべたちは、悔しい思いをしたことだろう。
「どうしてイサク様はやり返さないのか。ただ退くばかりではないか。こんな馬鹿なことがあるか」
まるで“抵抗”という言葉を知らないかのようなイサク。
父に刃物で屠られそうになったときも、そうだった。
ただすなおに受け入れていた。
そんな彼に、主が現れた。
主はその夜、彼に現れて言われた。「わたしは、あなたの父アブラハムの神である。恐れてはならない。わたしがあなたとともにいるからだ。」(24)
イサクはこの主のみことばを、心の奥にしっかり握っていたのだろう。
イサクの信仰に倣いたい。
翌朝早く、両者は互いに誓いを交わした。イサクは彼らを送り出し、彼らは平和のうちに彼のところから去って行った。(31)