柔らかな舌は骨を砕く
忍耐強く説けば、首領も納得する。柔らかな舌は骨を砕く。(箴言25:15)
「柔らかな舌は骨を砕く」、このみことばは箴言の中でも印象深く心に残っている。
骨を砕く、すなわち相手の硬い心を開くのは、鋭利な言葉ではない。
「柔らかな舌」なのだ。
22章には、つぎのようなみことばもあった。
心のきよさを愛し、優しく話をする者は、王がその友となる。(箴言22:11)
ところで最近、おもにネット上でよく見かける言葉に“論破”というのがある。
つくづくイヤな言葉だと思う。
相手の心を開くつもりもなければ、ましてや相手の話を聞こうなどという気持ちはさらさらない。
議論することで真理に近づこうといった高尚な目的もなく、ただ相手を言い負かすことだけを考えている。
ときには聡明な知識人と言われる人ですら、醜いののしり合いを繰り広げる。
そもそも議論(言い合い)になっている段階で、すでに負けだ。
感情に支配され、相手の意見を聞く耳などないのだから。
急いで訴え出るな。さもないと、後になって隣人があなたに恥ずかしい思いをさせたとき、あなたはどうしようというのか。(8)
ほんとうに大切なことは小さな声で話せという。
覚えておこう。
骨を砕くのは、「柔らかな舌」なのだ。
自分の霊を制することができない人は、城壁のない、打ち破られた町。(28)