みつばさのかげ

一日一章、聖書のみことばから感動したこと、考えさせられたことなどを綴ります。

あなたの山鳩

主よ、どうか、心に留めてください。敵がそしり、愚かな民が御名を侮っていることを。あなたの山鳩のいのちを、獣に引き渡さないでください。あなたの悩む者たちのいのちを、永久に忘れないでください。(詩篇74:18-19)

 

74篇は、読んでいて苦しくなってくる。

神が選ばれた民、祝福の地シオンの山が、敵に踏みにじられ、そしられている。

 

神よ、なぜ、いつまでも拒み、御怒りをあなたの牧場の羊に燃やされるのですか。どうか思い起こしてください。昔あなたが買い取られ、ゆずりの民として贖われた、あなたの会衆を。あなたの住まいであるシオンの山を。(1-2)

 

敵の攻撃は容赦なく、聖所はずたずたに破壊された。

 

今や彼らは、手斧と槌で、聖所の彫り物をことごとく打ち砕き、あなたの聖所に火を放ち、あなたの御名の住まいを、その地まで汚しました。彼らは心の中で、「彼らを、ことごとく征服しよう」と言い、国中の神の聖所をみな、焼き払いました。(6-8)

 

神のことばをとりつげる者もいない。

 

もう私たちのしるしは見られません。もはや預言者もいません。いつまでそうなのかを知っている者も、私たちの間にはいません。(9)

 

詩人の胸には、「いつまで」「なぜ」という言葉がくり返されるばかりだ。

 

神よ、いつまで、はむかう者はそしるのですか。敵は、永久に、御名を侮るのですか。なぜ、あなたは御手を、右の御手を、引いておられるのですか。その手を懐から出して、彼らを滅ぼし尽くしてください。(10-11)

 

詩人は、神の御力と救いに思いを向ける。

 

神は、昔から私の王、この地において、救いのみわざを行う方。あなたは、御力をもって海を打ち破り、その水の上の竜の頭を砕かれました。(12-13)

 

神を慕い求める者たちは、悲劇的な状況のなか、小さくなって震え、苦しんでいる。

 

あなたの山鳩のいのちを、獣に引き渡さないでください。(19)

 

「山鳩」は、か弱い。

心痛め、泣いている。

これに対し、「獣」はわがもの顔だ。

貪欲で、傲岸不遜で、聖所を荒らしまくる。

ときには、羊の身なりをして。

 

「偽預言者たちに用心しなさい。彼らは羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、内側は貪欲な狼です。」(マタイ7:15)

 

詩人は、必死に訴える。

 

虐げられるものが、辱めを受けて帰されることがなく、苦しむ者、貧しい者が、御名をほめたたえますように。(21)

 

主よ、「あなたの山鳩」のきよい群れを回復してください。

敵のもの笑いの種にしておかないでください。

苦しむ者、貧しい者が、御名をほめたたえますように。

アーメン。

 

「私は知っています。私が去った後、狂暴な狼があなたがたの中に入り込んで来て、容赦なく群れを荒らし回ります。・・・ですから、私が三年の間、夜も昼も、涙とともにあなたがた一人ひとりを訓戒し続けてきたことを思い起こして、目を覚ましていなさい。」(使徒20:29・31)

 

 

にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ
にほんブログ村