みつばさのかげ

一日一章、聖書のみことばから感動したこと、考えさせられたことなどを綴ります。

あなたの唇からは優しさが流れ出る

あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたの唇からは優しさが流れ出る。神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。(詩篇45:2)

 

45篇は、詩篇の中でも異色だ。

誰かはわからないが、附属の解説によれば「王の結婚の祝歌」ということだ。

詩人は、王の婚宴にあたり、王をほめたたえる歌を書いた。(1)

それがそのまま、後のキリストの賛歌になっているように見える。

 

2節では、王の麗しさと、言葉の優しさが賛美される。

そのような唇の者になりたいと思う。

唇から、愚痴や皮肉や傲慢の言葉でなく、「優しさが流れ出る」者に。

 

悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むしろ、必要なときに、人の成長に役立つことばを語り、聞く人に恵みを与えなさい。(エペソ4:29)

 

王は、神の祝福ゆえに無敵であり、世々に渡って支配したもう。

 

あなたの矢は鋭い。国々の民はあなたのもとに倒れ、王の敵は気を失う。神よ、あなたの王座は世々限りなく、あなたの王国の杖は公平の杖。(5-6)

 

9節以降に、王妃が登場する。

 

あなたの貴婦人たちの中には諸国の王の娘らもいて、王妃はあなたの右に立つ。オフィルの金を身に着けて。(9)

 

10節は、特に印象的だ。

 

娘よ、聞け。心して耳を傾けよ。あなたの民と、あなたの父の家を忘れよ。(10)

 

学生時代、ある教授がこんなことを力説したのを思い出す。

「人のために生きるというが、家族のため、地域のため、そして日本のため。ここでストップだ。世界のためとか言うのは、偽善である」

 

またあるときは、教会に来た男性が会衆に向かって、こう言うのを聞いた。

「神のためとか、イエスのためとか言いますが、日本には日本の素晴らしい伝統があるのだから、それをきちんと教えるべきです」

 

わたしたちキリスト者は、先祖から伝わった古い生き方から解放され、新しい生き方に生まれ変わった。

だからといって、日本を捨て、家を捨てるわけではない。

誤った因習からは解放されるものの、母国や親をないがしろにするわけではないのだ。

内村鑑三が、「『二つのJ(Jesus とJapan)』に仕える」と言ったとおりだ。

 

わたしたちは日本人であると同時に、「キリストの花嫁」として「神の民」であり、「神の家族」なのだ。

 

私はあなたの名を、代々にわたって呼び求めよう。それゆえ、国々の民は世々限りなくあなたをほめたたえよう。(17)

 

 

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