一頭の獣
また私は、海から一頭の獣が上って来るのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。その角には十の王冠があり、その頭には神を冒涜する様々な名があった。(黙示録13:1)
12章では、天上における竜(悪魔)との戦いの様子が描かれた。
13章では、地上における二頭の獣との戦いが描かれる。
一頭目は、冒頭の通り「海から」上って来る。
これは、「反キリスト」であると言われている。
二頭目は、「地から」上って来る。
こちらは、「偽預言者」だ。
また私は、別の獣が地から上って来るのを見た。それは、子羊の角に似た二本の角を持ち、竜が語るように語っていた。(11)
この「悪魔ー反キリストー偽預言者」が、終わりの時に現れる“偽の三位一体“だ。
フェイクニュースという言葉を近年よく聞くが、悪魔はまさにフェイクの使い手だ。
偽物を本物であるかのように信じさせ、人々の心を惑わし、自分のほうに引きずり込む。
わたしたちも、よくよく注意していなければ、かんたんにやられてしまうだろう。
「悪魔は初めから人殺しで、真理に立っていません。彼のうちには真理がないからです。悪魔は、偽りを言うとき、自分の本性から話します。なぜなら彼は偽り者、また偽りの父だからです。」(ヨハネ8:44)
反キリストは、キリストを真似て、死んで復活までする。(3)
それによって多くの人が、彼を信じるようになる。(4)
偽預言者は反キリストの像を立て、人々にそれを拝むことを強制する。(12)
また、人々の右手か額に刻印を受けさせ、経済的にも支配下に置く。(16-17)
ここで心に留めておきたいのは、彼らは「獣」と表現されているものの、見た目にはとても魅力的で素晴らしい人物のように見えるだろう、ということだ。
彼らこそが真理の体現者であり、世界のリーダーであり、人類の救世主だと、人々は思うだろう。
しかし、驚くには及びません。サタンでさえ光の御使いに変装します。(2コリント11:14)
まるでキリストのように見える人物が悪魔の手下であるとは、考えただけでもぞっとする。
ここに、知恵が必要である。思慮ある者はその獣の数字を数えなさい。それは人間を表す数字であるから。その数字は六百六十六である。(18)
「666」が誰を指すのか、古来からいろいろ言われてきた。
ネロやヒトラーといった残虐な独裁者の名が、これに当たるという。
終わりの時に現れる「666」は、彼らよりももっと善良で世界平和を唱え、魅力的な人物に“見える”のではないかと、わたしは想像する。
興味本位で詮索するのは避けたい。
と同時に、「思慮ある者は数えよ」と言われてもいるのだから、注意深く観察する態度も必要になろう。
不法の者は、サタンの働きによって到来し、あらゆる力、偽りのしるしと不思議、また、あらゆる悪の欺きをもって、滅びる者たちに臨みます。彼らが滅びるのは、自分を救う真理を愛をもって受け入れなかったからです。(2テサロニケ2:9-10)