みつばさのかげ

一日一章、聖書のみことばから感動したこと、考えさせられたことなどを綴ります。

大淫婦

また、七つの鉢を持つ七人の御使いの一人が来て、私に語りかけた。「ここに来なさい。大水の上に座している大淫婦に対するさばきを見せましょう。地の王たちは、この女と淫らなことを行い、地に住む人々は、この女の淫行のぶどう酒に酔いました。」(黙示録17:1)

 

17章で、また印象的な者が登場する。

「大淫婦」だ。

その姿は、なんともグロテスク極まりない。

 

その女は紫と緋色の衣をまとい、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものと、自らの淫行の汚れで満ちた金の杯を手に持っていた。その額には、意味の秘められた名、「大バビロン、淫婦たちと地上の忌まわしいものの母」という名が記されていた。私は、この女が聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔っているのを見た。私はこの女を見て、非常に驚いた。(4-6)

 

旧約聖書において「淫行」は、偶像礼拝など宗教的堕落を意味する。

したがって、この大淫婦は、終末期における”世界的宗教”を指すといわれている。

 

また、御使いは私に言った。「あなたが見た水、淫婦が座しているところは、もろもろの民族、群衆、国民、言語です。」(15)

 

このみことばからも、世界を手中に収めていることがわかる。

さらにこの大淫婦は、「獣」に乗っている。

 

それから、御使いは私を御霊によって荒野へ連れて行った。私は、一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た。その獣は神を冒涜する名で満ちていて、七つの頭と十本の角を持っていた。(3)

 

この「獣」は、これまでにも登場した反キリストだ。

つまり、終わりの時には、反キリストが世界的宗教と結託して世界を支配する。

 

注意したいのは、この「大淫婦」は「海からの獣(反キリスト)」や「地からの獣(偽預言者)」のような特定の人物ではなく、ひとつの大きな組織であることだ。

その「意味の秘められた名」が「大バビロン」だ。(5)

この「大バビロン」が文字通りのバビロンなのか、他の場所なのかは、解釈が分かれるようだ。

 

「ここに、知恵のある考え方が必要です。七つの頭とは、この女が座している七つの山で、それは七人の王たちのことです。」(9)

 

この「七つの山」がローマの山を意味するとして「大バビロン」をローマと考える説もあり、わたしが持っている聖書の注解にもローマを指すと書いてある。

わざわざ「意味の秘められた名」とか「知恵のある考え方が必要」と言われていることからも、文字通りのバビロンではないように思える。

もしローマであるとすれば、そこを拠点とする世界的宗教は何かと考えると、背すじに寒気が走る。

 

「七つの頭」や「十本の角」の説明が9~14節にあるが、わたしには詳しいことはよくわからない。

ただ言えることは、最後には子羊が勝利するということだ。

 

「彼らは子羊に戦いを挑みますが、子羊は彼らに打ち勝ちます。子羊は主の主、王の王だからです。」(14)

 

さらに16節を見ると、反キリストは世界的宗教を打ち壊すようになる。

 

「あなたが見た十本の角と獣は、やがて淫婦を憎み、はぎ取って裸にし、その肉を食らって火で焼き尽くすことになります。」(16)

 

もう一度、整理しておこう。

終わりの時には、反キリストが世界的宗教を利用して世界を支配する。

反キリストと世界的宗教は、キリストに打ち負かされる。

反キリストは、世界的宗教を打ち壊す。

 

大淫婦は、黙示録で読むとグロテスクに見えるが、実際にはとても良いもののように、素晴らしいもののように見えるだろう。(金と宝石と真珠で身を飾っている)

世界をひとつにし、人々に一時的な安心を与えるだろう。

わたしたち、いまを生きるキリスト者は、そのような”表面上の平和”を注意深く観察する必要がある。

悪魔は、「光の御使い」をすら装うのだから。

 

「また、偽預言者が大勢現れて、多くの人を惑わします。不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えます。しかし、最後まで耐え忍ぶ人は救われます。」(マタイ24:11-13)

 

 

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