一人の女
また、大きなしるしが天に現れた。一人の女が太陽をまとい、月を足の下にし、頭に十二の星の冠をかぶっていた。女は身ごもっていて、子を産む痛みと苦しみのために、叫び声をあげていた。(黙示録12:1-2)
11章15節から「第七のラッパ」に入っている。
12章において、天に現れた「大きなしるし」について語られる。
- 身ごもった一人の女(1)=イスラエル
- 赤い大きな竜(3)=悪魔
- 男の子(5)=キリスト
- ミカエル(7)
などが登場する。
悪魔ははじめ、「男の子」すなわちキリストを狙う。
また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだらその子を食べてしまおうとしていた。(4)
しかしその目論見は失敗し、次にミカエルと戦うが、ここでも敗れる。
さて、天に戦いが起こって、ミカエルとその御使いたちは竜と戦った。竜とその使いたちも戦ったが、勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。こうして、その大きな竜、すなわち、古い蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれる者、全世界を惑わす者が地に投げ落とされた。また、彼の使いたちも彼とともに投げ落とされた。(9)
地に落ちた竜は、今度は女を攻撃する。
竜は、自分が地へ投げ落とされたのを知ると、男の子を生んだ女を追いかけた。(13)
しかし、ここでも神の介入により、悪魔のたくらみは失敗に終わる。(16)
悪魔はこれで退くのではなく、今度は女の子孫に手を向けようとする。
すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。(17)
こう見ると、悪魔の神に対する反逆と妨害は、実に執拗だ。
なんとタチの悪い者だろう。
ところで、「目に見える世界は、目に見えない世界の現れである」という。
そうであれば、この12章に描かれている壮大な絵巻物は、まさに目に見えない世界の“現実”であり、この世のいっさいはこの戦いの真っ只中に存在しているといえよう。
最後に、パウロの言葉を読んでおく。
終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。悪魔の策略に対して堅く立つことができるように、神のすべての武具を身に着けなさい。私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいるもろもろの悪霊に対するものです。(エペソ6:10-12)