神を賛美する歌を歌って
真夜中ごろ、パウロとシラスは祈りつつ、神を賛美する歌を歌っていた。ほかの囚人たちはそれに聞き入っていた。(使徒16:25)
この文章は、『使徒の働き』の中でも、個人的にもっとも好きなところだ。
伝道旅行で、パウロとシラスはピリピにやって来た。
そこでも彼らの周りに騒動が起こり、彼らはむち打たれ、足かせをはめられて、投獄された。
ずきずきと疼く傷、極度の疲労と飢え、不合理な暴力、時は真夜中。
普通なら涙にくれて落ち込んだり、あるいは、「不当な扱いだ」と怒り叫んだとしてもおかしくない。
しかし彼らは、「祈りつつ、神を賛美する歌を歌っていた」。
どんな歌声だったのだろう。
歌手のような立派なものではなかったであろうが、ほかの囚人たちも聞き入るほど心に沁みるものだった。
実は、福音書から使徒の働きまでの中に、賛美の歌を歌う場面がもうひとつある。
そして、賛美の歌を歌ってから、皆でオリーブ山へ出かけた。(マルコ14:26)
これは、イエスさまが十字架にかけられる直前のことだ。
イエスさまは、ご自分が十字架にかけられることを承知の上で、「賛美の歌」を歌われた。
やはり、夜だった。
夜、何の光も差さない夜、パウロもシラスも、そしてイエスさまも、「神を賛美する歌」を歌った。
わたしも、そんなふうに歩みたい。
いろんな思いに塞がれそうになったとしても、「賛美の歌」を歌ってみよう。
いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。あなたがたの寛容な心が、すべての人に知られるようにしなさい。主は近いのです。(ピリピ4:4-5)
詩と賛美と霊の歌をもって互いに語り合い、主に向かって心から賛美し、歌いなさい。いつでも、すべてのことについて、私たちの主イエス・キリストの名によって、父である神に感謝しなさい。(エペソ5:19-20)