主の名をみだりに口にしてはならない
「あなたは、あなたの神、主の名をみだりに口にしてはならない。主は、主の名をみだりに口にする者を罰せずにはおかない。」(出エジプト20:7)
20章で、いよいよ「十戒」が授けられる。
きょうは、上に挙げた第三戒に注目したい。
十戒では、第一戒から第四戒までが神に関する戒めとなっている。
第一戒は、
「あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない。」(3)
第二戒は、
「あなたは自分のために偶像を造ってはならない。・・・それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。」(4-5)
第四戒は、
「安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。」(8)
となっている。
ふと思ったのだが、いま挙げた三つが、わかりやすく、ゆえに意識しやすいのに対し、第三戒は自分の中でちょっと曖昧になっていた。
十戒の一つであるだけに、大変重い戒めであるに違いないが、強く心に留めることが少ないように思う。
「主の名をみだりに口にする」とは、どういうことだろうか。
「みだりに」という言葉からは、「軽々しく、安易に、不用意に」といったニュアンスが連想される。
また、「口にする」という言葉からは、「舌先三寸」のような軽薄さが感じ取れる。
そこには、主への恐れがない。
イエスさまは、つぎのように語られた。
「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者がみな天の御国に入るのではなく、天におられるわたしの父のみこころを行う者が入るのです。」(マタイ7:21)
真に神に従う者は、舌先三寸で「主よ、主よ」とは言わないのだ。
どうやら口の軽さと信仰の軽さは比例すると言えそうだ。
ああ、主の前に静まらねば。
神の前では、軽々しく、心焦ってことばを出すな。神は天におられ、あなたは地にいるからだ。だから、ことばを少なくせよ。(伝道者の書5:2)