彼らからもろもろの国民が
以上が、それぞれの家系による、国民ごとの、ノアの子孫の諸氏族である。大洪水の後、彼らからもろもろの国民が地上に分かれ出たのである。(創世記10:32)
10章は、ノアの息子たちの系図だ。
これはノアの息子、セム、ハム、ヤフェテの歴史である。大洪水の後、彼らに息子たちが生まれた。(1)
大洪水の前と同様、彼らの子孫は一様に長命で多産だ。
ここには「息子たち」の名しか出てこないが、「娘たち」ももちろん生まれた。
彼らは、またたく間に増え、方々に散らばって社会が形成されていった。
ヤフェテの子らはゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラス。ゴメルの子らはアシュケナズ、・・・(2-3)
はっきり言って退屈なカタカナの羅列なのだが、後々聖書に出てくる地名もあって、そのあたりは興味深い。
そんな中、「ニムロデ」という人物だけが、なぜか多くの言葉で説明されている。
クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の勇士となった。彼は主の前に力ある狩人であった。それゆえ、「主の前に力ある狩人ニムロデのように」と言われるようになった。(8-9)
どういういきさつで「最初の勇士となった」のだろう。
初めて獅子を打ち負かした、とかだろうか。
ともかく、当時のヒーローだったようだ。
彼がことさらに説明されたのは、次章に出てくる町「バベル」と関係があったからとも思われる。
彼の王国の始まりは、バベル、ウルク、アッカド、カルネで、シンアルの地にあった。(10)
パウロは、人類が全地に広がった理由を「神を求めさせるため」と言っている。
それぞれの時代、それぞれの地で、神を求めること。
それが主のお考えになっていたことなのだ。
「神は、一人の人からあらゆる民を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに決められた時代と、住まいの境をお定めになりました。それは、神を求めさせるためです。もし人が手探りで求めることがあれば、神を見出すこともあるでしょう。確かに、神は私たち一人ひとりから遠く離れてはおられません。」(使徒17:26-27)