みつばさのかげ

一日一章、聖書のみことばから感動したこと、考えさせられたことなどを綴ります。

マクペラの畑地の洞穴

その後アブラハムは、マムレに面するマクペラの畑地の洞穴に、妻サラを葬った。マムレはヘブロンにあり、カナンの地にある。(創世記23:19)

 

23章は、アブラハムの妻サラの死と、墓地の購入及び埋葬の記録である。

 

サラの生涯、サラが生きた年数は百二十七年であった。(1)

 

聖書中死んだ年齢が明記されている女性は、サラだけだそうだ。

サラという女性がどれほど重きを置かれているかがわかる。

 

サラはカナンの地のキルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンで死んだ。アブラハムは来て、サラのために悼み悲しみ、泣いた。(2)

 

アブラハムは来て」とあることから、何らかの事情で別々に暮らしていたと思われる。

サラがその地で療養していたのだろうか。

それとも、もっと複雑な理由で別居していたのだろうか。

 

ここからこの章の大半は、ヒッタイト人エフロンとアブラハムとの墓地売買を巡る交渉になる。

結果的に、エフロンは法外な値をこともなげに要求し、アブラハムはすなおに受け入れる。

 

しかし、その後の歴史を見れば、それはけっして高値ではなかった。

なぜなら、これがアブラハムとその子孫、すなわちイスラエル民族がカナンの地を所有する第一歩となったからだ。

 

この墓がいかに重要なものになっていくかは、創世記49章におけるヤコブの遺言を見ればよくわかる。

 

また、ヤコブは彼らに命じた。「私は、私の民に加えられようとしている。私をヒッタイト人エフロンの畑地にある洞穴に、先祖たちとともに葬ってくれ。その洞穴は、カナンの地のマムレに面したマクペラの畑地にあり、アブラハムヒッタイト人エフロンから、私有の墓地とするために、畑地とともに買い取った洞穴だ。そこにはアブラハムと妻サラが葬られ、そこにイサクと妻リベカも葬られ、そこに私はレアを葬った。その畑地とその中にある洞穴は、ヒッタイト人から買ったものだ。」(創世記49:29-32)

 

アブラハム、イサク、ヤコブが葬られた墓、そしてイスラエル民族のカナンの地への第一歩。

ひとつの章を割いてまで、墓地の購入が記録された意味がここにある。

 

こうして、この畑地とその中にある洞穴は、ヒッタイト人たちの手から離れて、私有の墓地としてアブラハムの所有となった。(20)

 

にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ
にほんブログ村