箱舟から出て来た
そこでノアは、息子たち、彼の妻、息子たちの妻たちとともに外に出た。すべての獣、すべての這うもの、すべての鳥、すべて地の上を動くものも、種類ごとに箱舟から出て来た。(創世記8:18-19)
最近は日本でも、豪雨災害が毎年のように起きる。
大雨が三日、四日と続くと恐怖を覚える。
ノアの洪水では、「四十日四十夜」降り続いた。
どれほどの雨量だったのか、想像もできない。
その後も百五十日間、水が増え続けたとある。
そこをピークに、ようやく徐々に水が引いていく。
大水の源と天の水門が閉ざされ、天からの大雨がとどめられた。水は、しだいに地の上から引いていった。水は百五十日の終わりに減り始めた。(2-3)
5か月にわたって水が増え続けた。
見渡す限りの海。
なんという世界か。
箱舟は、第七の月の十七日にアララテの山地にとどまった。(4)
現代になって、この「アララテの山地」付近に箱舟の痕跡があるというニュースが話題になったが、正直なところ、わたしはあまり関心がない。
ほんとうにそうであれば素晴らしいことだが、いまの世の中、どこまでが真実でどこからがフェイクか見分けがつかない。
そもそも、見つかろうと見つかるまいと、聖書に記録してあるのだから事実であることに変わりはないのだ。
その後、ノアはカラスや鳩を窓から放ち、陸地がたしかにあることを知る。
そして、冒頭のみことばのとおり、神の指示にしたがって箱舟から出た。
そこにはすでに緑の大地が美しく広がっていた。
しかし、彼らの心境はどんなものだっただろう。
救われた感謝と喜びはもちろんあっただろうが、希望ばかりとは言えなかったのではないか。
なにせ存在するのは自分たち8人だけだ。
これからどうやって生きていくのか、不安も大きかったに違いない。
そんな中、ノアが最初に行ったことは“礼拝”だった。
ノアは主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜から、また、すべてのきよい鳥からいくつかを取って、祭壇の上で全焼のささげ物を献げた。(20)
ところで、よく言われることだが、「船」という漢字は「舟に八つの口」と書く。
不思議なことだと、いつも思う。
主は、その香ばしい香りをかがれた。そして、心の中で主はこう言われた。「・・・わたしは、再び、わたしがしたように、生き物すべてを打ち滅ぼすことは決してしない。」(21)