みつばさのかげ

一日一章、聖書のみことばから感動したこと、考えさせられたことなどを綴ります。

善にはさとく、悪にはうとく

あなたがたの従順は皆の耳に届いています。ですから、私はあなたがたのことを喜んでいますが、なお私が願うのは、あなたがたが善にはさとく、悪にはうとくあることです。(ローマ16:19)

 

欧米人は著書のあとがきに、サポートしてくれた人たちの名前を記す。

それはもしかすると、パウロの手紙が影響しているのかもしれない。

 

『ローマ人への手紙』を書き終えるにあたり、パウロは兄弟姉妹たちの名をあげて挨拶をした。

16章だけで、実に35人の名前が出てくる。

ローマにいる人が27人、パウロといっしょにいる人が8人だ。

いかに彼が、一人ひとりを思っていたかが伝わってくる。

 

ひと通り名前をあげたあとで、パウロは注意喚起を促した。

 

兄弟たち、私はあなたがたに勧めます。あなたがたの学んだ教えに背いて、分裂とつまずきをもたらす者たちを警戒しなさい。彼らから遠ざかりなさい。そのような者たちは、私たちの主キリストにではなく、自分の欲望に仕えているのです。彼らは、滑らかなことば、へつらいのことばをもって純朴な人たちの心をだましています。(17-18)

 

短いが、恐ろしい警告だ。

「分裂とつまずきをもたらす者たち」がいる。

彼らは、「自分の欲望に仕えている」。

どんなにキリストや神を語ろうとも、彼らが求めているのは、自分が称賛されることであり、他者を取り込んで支配することだ。

“悪魔的”と言わざるをえない。

 

彼らは、言葉巧みだ。

一見力強い“言い切り型”の物言いをする人物が多いと、わたしは感じる。

純朴な人たちは、つい魅せられて、巻き込まれてしまう。

 

その目は姦淫に満ち、罪に飽くことがなく、心が定まらない人たちを誘惑し、心は貪欲で鍛えられています。彼らはのろいの子です。(2ペテロ2:14)

 

パウロは、そのようなときでも「善にはさとく、悪にはうとく」あれと語った。

それが、サタンへのもっとも有効な対抗策だ。

 

平和の神は、速やかに、あなたがたの足の下でサタンを踏み砕いてくださいます。(20)

 

さばき合いや非難の応酬に陥れば、サタンの思うつぼだ。

そこから守られるためにも、「神の福音」(1:1)がどういうものなのかを、信仰によってしっかりと受け取ることがたいせつになる。

『ローマ人への手紙』は、そのために書かれた。

祈りつつ、何度も読み返そう。

 

永遠の神の命令にしたがい、預言者たちの書を通して今や明らかにされ、すべての異邦人に信仰の従順をもたらすために知らされた奥義の啓示によって、あなたがたを強くすることができる方、知恵に富む唯一の神に、イエス・キリストによって、栄光がとこしえまでありますように。アーメン。(26-27)

 

 

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