神の道をもっと正確に
この人は主の道について教えを受け、霊に燃えてイエスのことを正確に語ったり教えたりしていたが、ヨハネのバプテスマしか知らなかった。彼は会堂で大胆に語り始めた。それを聞いたプリスキラとアキラは、彼をわきに呼んで、神の道をもっと正確に説明した。(使徒18:25-26)
いま『使徒の働き』を読み進めているわけだが、読みながらスマホを見ることが増えた。
出てくる地名をグーグルマップで調べ、ストリートビューで町の中に入り込んだりするのだ。
これがちょっとした"聖地旅行"のようで、実に楽しい。
かつてパウロらが、熱い想いで巡った町々。
いまも栄える都市もあれば、すっかり廃れた町もある。
いずれにせよ、現代でも移動するのが大変な距離を、陸路海路を駆使して彼らは回った。
18章では、新約聖書の手紙でも有名なコリントやエペソの町が舞台だ。
さて、アレキサンドリア生まれでアポロという名の、雄弁なユダヤ人がエペソに来た。彼は聖書に通じていた。(24)
さっそく、アレキサンドリアを調べてみる。
現在は「カイロに次ぐエジプト第二の都市」で、人口が「520万人(2018年)」とあった。
大都市だ。
聖書の時代から、すでに大きな町だったのだろう。
わたしの手元にある聖書の注釈には、この町について次のような説明がある。
<エジプト北岸にある海港都市。早くから多くのユダヤ人が住んでいた。紀元前二世紀には、旧約聖書がここでギリシヤ語に訳された(七十人訳)。アポロはこのような都市で育ったので、聖書に精通していたこともうなずける。>
わたしはこの説明を読むまで知らなかったのだが、よく聞く「七十人訳聖書」はこの町で出来たのだ。
このようなところで生まれ育ったアポロは、幼い頃から聖書(旧約聖書)に親しんだのだろう。
彼がどういう経緯でイエスさまを信じたのかはわからないが、「霊に燃えてイエスのことを正確に語ったり教えたり」していたことからも、熱心な信者であったことは間違いない。
しかし、彼の語るメッセージはまだ不十分だったようで、プリスキラとアキラ夫婦がより詳しく福音について教えた。
すばらしいと思うのは、アポロが二人の話を素直に聞き、よりしっかりとした伝道者となったことだ。
「あなたたちはイタリヤから来たテント職人に過ぎないじゃないか。聖書は私のほうが詳しいのだから、いちいち突っ込まないでくれ」とは言わなかったのだ。
アポロはアカイアに渡りたいと思っていたので、兄弟たちは彼を励まし、彼を歓迎してくれるようにと、弟子たちに手紙を書いた。彼はそこに着くと、恵みによって信者になっていた人たちを、大いに助けた。聖書によってイエスがキリストであることを証明し、人々の前で力強くユダヤ人たちを論破したからである。(27-28)
真の主のしもべは、兄弟たちの真実な助言や忠告に耳を傾ける。
アポロのような、素直でやわらかい耳を持ちたい。
私たちはこのキリストを宣べ伝え、あらゆる知恵をもって、すべての人を諭し、すべての人を教えています。すべての人を、キリストにあって成熟した者として立たせるためです。(コロサイ1:28)